伊方原発3号機の再起動予定日を12月2日に控え、各地で抗議の行動があります。
抗議・要請文
四国電力株式会社取締役社長 長井啓介様
貴社の電力供給に対する日々の努力には敬意を表する。しかし、原発については理解することはできない。そもそも、私達地域住民は用地買収から建設、稼働及び再稼働について一度としてこれを望んだことも認めたこともない。何度世論調査しても、原発反対の意見は約3分の2、原発は危険だと思う意見は9割を超える。つまり、顧客でもある地域住民は原発を望んでいないということである。貴社は営利企業であるから、顧客の要望に応える形で利益を追求するのが本来あるべき姿であり、また企業には地域社会に貢献する義務もあるはずである。然るに貴社は、顧客の要望しない原発に拘り、地域社会の存続を脅かす危険な事業を行い、自社の利益のみを追求している。
原発の寿命は数十年に過ぎず、利権を得るのは住民のわずか数%に過ぎない。だが、一旦事故を引き起こしてしまえば被害は半永久的、被災するのは全ての住民のみならず全ての生きとし生けるものである。事故を起こさなくても、全ての生命の生存権を恒常的に脅かし被曝労働を生む上に、環境中に夥しい放射能を放出し当該地域の山は荒れ海は枯れ、地域産業は衰退する。それが原発の真実の姿であることは先の福島の事故が明らかにした。日本の原発ではチェルノブイリのような事故は起きないと言われて来たが、それは福島の事故で完全に否定された。事故の収束はおろか原因の詳しい究明さえできていない日本の原子力産業に、原発の稼働を議論する資格などない。かつての原発安全神話を信じる者は誰もいない。原発には安全というものは存在しないと原子力規制委員会さえ言っている。にも関わらず、伊方原発における近年の不祥事、トラブルの頻発は、貴社に原発という危険極まりない施設を扱う自覚も資格も能力もないことをさらけ出した。電力需要はこれから減少すると予想されているし、発電方法は他にもある。原発に拘る理由はどこにも存在しないのである。
自然災害大国の日本で、万が一にも事故を起こしてはならない原発の建設に適した地域はなく、地震や火山の予知は不可能である。伊方原発のある佐田岬半島は日本最大の断層中央構造線のほぼ真上にあり、南海トラフ巨大地震の震源域の上でもある。原発立地不適以外の何物でもない。細長い半島という立地条件は事故に際し住民の避難がほとんど不可能。ここに原発を建設した貴社の罪は重大であり、容認できるものではない。
更に、伊方原発は瀬戸内海に面し、温排水と放射能を瀬戸内海に排出し、世界有数の生物多様性と生物生産力を誇る宝の海を汚し続けている。私達が守るべきは、この世界に誇る豊かな海と故郷の豊かな自然である。従って私達は、かつて「東の柏崎刈羽、西の伊方」と言われた激しい反対運動を闘った先人達の不屈の意志と、この地に生きる全ての生命の声を背負って貴社に要求する。
伊方原発3号機の再稼働絶対反対。再稼働を撤回し、3号機の廃炉を決断せよ。原発から撤退し、自然環境と全ての生命に優しい発電方法に変換し、地域社会に貢献、共存する企業方針に転換せよ。
2021年10月24日
第35回伊方集会 参加者一同
伊方現地集会1
https://twitcasting.tv/togura04/movie/705033368
伊方現地集会2
とめる会の原子力本部前集会 松山市駅西側
https://twitcasting.tv/togura04/movie/705067541
原発さよなら四国ネットワーク
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郵便振替 01650-4-41986 名義「原発さよならえひめネットワーク」
フクシマという事故の実例のあとに、原発を再稼働させるというのは、倫理的な問題です。
もはや負けの見えた戦いをなおも続けようとする軍部の暴走を食い止めることができなかった戦時中とは違う「はず」です。
「戦艦大和を特攻出撃させたのは、まさに当時の空気からしてやむをえなかった」(山本七平「空気の研究」より)というのと同じ、「空気の支配」をくり返させてはなりません。
福島県と四国を同縮尺で並べてみました。愛媛県と高知県を合わせたくらいの面積が福島県でしょうか。
両方の地図の海岸線の交差する位置が、それぞれ東電福島第一原発と伊方原発のある地点です。
東電福島原発事故では放出された放射性物質の大半が西風により太平洋に出て行ったと言われていますが、四国は全土が伊方原発の、その西風の風下地域に当たります。
https://twitter.com/i/status/1111540957063725056 (AC日本さんのツイッター記事)
←nature誌の特集記事の図より。風下地域への放射性物質の移動が如何にダイナミックか、四国4県のエリアを如何に軽々と飛び越えていくかが、上の地図と比較すると分かります。